回想法とは?

回想法とは、米国の精神科医ロバート・バトラーによって創始された心理療法の一種です。
主に高齢者に対して行われるもので、それぞれの人生史や思い出を、介護者や家族が受容的な態度で傾聴し受け止めます。

自分自身が歩んできた道のりを再確認し、他者と共有、受容することで自尊心が向上し、精神的な安定を得ることなどを目的として行われます。

回想法は認知症や介護予防の現場において、記憶力の向上に効果があることが報告されています。

 

一般的な回想法の方法

回想法の実施方法には、個人とグループの二通りがあります。
いずれも「小さい頃の遊び」や「好きだった洋服」など決められたテーマをもとに会話を広げていきます。

 

レクリエーションと回想法を組み合わせて実施

一般的な回想法では「言葉」がメインのツールとして使われます。

3色パステルアートでは「言葉」だけでなく「絵」を用いることで、五感を刺激し、回想法の効果を促します。

下の写真は『夕焼け』をテーマに描いた作品です。
制作を行いながら、子どもの頃に見た景色や、印象的だった夕焼け、旅行先での思い出話などに話題が広がります。

はじめのうちは、ぼんやりとした様子で参加されていた方も、次第に目に光が差し、懐かしい思い出の風景を語り出します。

 

なぜ3色パステルアートが回想法に有効なのか

回想法において重要な要素として、テーマが絞られていることと、五感を刺激しながら行うことが挙げられています。

3色パステルアートでは、これらの要素を満たすだけでなく、創作活動中に記憶力を高まったいるときに発生する脳波『θ波(シータは)』が増加することが分かっています。
(*3色パステルアートによる創作活動が脳波に与える効果<調査機関2016年11月〜2017年5月>参照)

θ波は深いリラックス状態で発生することも知られています。
3色パステルアートを用いると、記憶力が高まり、かつリラックスしている脳の状態で進行することができます。そのため、より有効な回想法を実施することができます。

 

(参考文献:認知症及び介護予防を目的とした回想法およびライフレビューが高齢者のQOLに及ぼす 効果に関する研究 国立長寿医療研究センター 長寿保健科学研究室 主任研究者 細川彩/のうだま2上大岡トメ・ 池谷裕二 幻冬舎/Q&Aでわかる回想法ハンドブック 野村豊子 中央法規/おしゃべり心療回想法 小林幹児 論創舎/なぜ回想法が認知症に効くのか 小山敬子 祥伝社)
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