3色パステルアートのインストラクターは子供から大人まで、非常に幅広い層を対象にワークショップ(レクリエーション)を行っています。

インストラクター認定講座では、現場に出るために最低限必要な技術をお伝えしています。

けれど、やっぱり人相手の仕事。
いざ現場に出てみると、それぞれの対象者に合わせた対応が求められます。

誰でもはじめは未経験。
インストラクターとして活動する中で、経験を積み上げていく必要があります。

今回は現場で活躍しているインストラクターに、実際の現場で遭遇した「困ったこと」や「工夫してうまくいったこと」や「これからの改善点」などを聞きました。

机上の空論ではない現場の生きた知恵は本当に貴重です。
3色パステルアートのインストラクターに限らず、様々なワークショップ・レクリエーション・アクティビティに共通する部分もあります。

インストラクターが感じている現場の生の声が、ひとりでも多くの人のお役立てれば幸いです。

 

 

子ども(障害児・親子)向けワークショップ(レクリエーション)のコツ

 

児童デイサービス、放課後等デイサービスの夏休み企画として、子供たちとスタッフのみなさんに体験して頂きました。
(7/29,8/2,3,4)

1日目は、レシピどおりのグラデーション
2日目は、マスキングデーブでラインを入れたグラデーション
3日目は、水風船1つ(全員2度めの参加)
4日日は、丸いシールを目印に、円を描きながらのグラデーション

最初は描かないと言い張っていた子も、先生も一緒にみんなんで描くよと声掛けしたり、
他児の作品を画像でみせたりしているうちに、取り組むことができました。
子ども達の作品は、大人だけのワークショプではあまり見ることの出来ない色が出ていて、驚かされることばかりでした。
インストラクターの渡辺いと子さんがお手伝いに来てくれて、毎回どのように改善したら良いか話し合いながら進めることができました。

・訪問する前に事前調査シートの作成を依頼し、参加者の得意、不得意等の情報を得ておくと良い。
・スタッフに補助に入ってもらうことが必須。
・1日1枚のペース。
・インストラクターは2名が理想。
・歌い出す子が居る場合、BGMを利用。
・鑑賞会は、一人一言。それ以上は飽きてしまう。
・パステルは折れやすいから、大切に使ってねとお約束を伝える。
・描くスピードがとても速いので、気持ちを引きつけるものを何か準備しておくと良い。

発達障がいの子ども達と描くのは、なかなか難しいと感じましたが、これからも試行錯誤を重ねて、頑張って行きたいです。

--インストラクター加藤さおりさんより

 

夏休み子ども向けワークショップの報告させていただきます。
7月26日(水) 親子16名参加
グラデーション、海(大人)、水風船(子ども)

8月7日(月) 23名参加
グラデーション、春の丘(高学年)、簡単な桜(低学年)

8月8日(火) 19名参加
グラデーション、お月見ウサギ、ぐるぐるいもむし

8月10日(木)親子28名参加(8名は児童デイサービス利用児)
グラデーション、海(大人)、水風船(子ども)

市内の子ども、高齢者の施設をいくつか回ってワークショップを開催しています。
今回は、放課後児童クラブ(学童保育)2か所へお邪魔しました。

難しかった事、改善点
○時間内に2作品を描くこと
子どもは飽きやすいので、集中力を保っているのが難しいですが、作品を描いている時に具体的にほめてあげるとモチベーションを維持できていいのかなと思います。途中で、一度10分間の休憩を取ってリフレッシュしてもらいました。

○道具の準備、テーブルのセッティング
道具の準備のために30分前に会場に入りましたが、セッティングしてみたらギリギリでした。
効率よく進めるためにまだまだ改善の余地はありそうです。 その後、パステルは小さな密閉容器に1人分ずつ入れて準備しました。そうすることで、片付けがとても楽でした。大人数の時は、効率的だと思います。

工夫してうまくいった事
○マスキングした画用紙2枚、下敷きのA4紙、パレット代わりのA5紙はクリアファイルに1人分ずつ入れて用意しました。配りやすかったです。
○道具や約束事などは、口頭ではなかなか伝わらないのでスケッチブックに描いて、視覚を使って注意を促しました。
○グラデーションなどは、混色して新しい色が出てきたら「何色がでてきたかな?」と質問すると盛り上がります。
○親子参加のワークショップでは、親と子をあえて別のグループに分け別々のレシピで描いてもらいました。事前にお母さん達には、具体的にほめてあげる、Iメッセージで作品の良いところを伝えてあげてくださいと伝えました。子どもたちにも、お母さんの作品の好きなところを1つ伝えてもらいました。

予測できなかった事態
○子どもは、最後で話を聞かずに描き始めてしまったりするので、こまめに声をかけ注意をこちらに向けてもらい手順を確認しながらの方がいいと思います。

--インストラクター渡辺いと子さんより

 

【2歳の親子との体験談】
https://oto8.jp/archives/2081

《難しかったこと》
2歳まもない男の子の集中が、すぐ切れてしまい、参加が難しかった。お母さんが体験してくださったのはよかった。

声かけなど、最初の方でもっとして仲良くなれればよかった。

次はここまでやってみる、というのを、もう少し細かく説明してもよかったのかもしれない。

あきる=満足ともとらえられる

あきるのは、いけないことでなく、他にたくさん興味が持てる子ということ。

《工夫したこと》
・始まる前、飲み物を飲んで少し落ち着いてから始めた。そのときには、パステルの道具は一切見せなかった。

・最初に三本、袋に分けていれておいて、やる直前に渡した(画子さんに教わりました)

・室内に少し飾りをするだけで、来た方にも普段とは違う気分を味わってもらえた。

・自分の描いたものを見てもらえる時間が、とてもうれしそうだった。

・親子の写真を撮ってあげて、あとでメールでお送りした

《予想できなかったこと》
最後の頃に、これを使っています、とダイソーのパステルの箱を見せたら、色がたくさんあるなら、次はたくさん使いたいと言われたときに、とっさに言葉がでなかったこと。なぜ3色か、をしっかり自分の中に落としておかないといけない。

--インストラクター磯崎麻奈美さんより

 

子供達だけの参加の場合、大人以上に緊張する子が多いので子供達がコミュニケーションを取りやすいように&場の雰囲気を和らげるためアイスブレイク(皆で楽しめる簡単なゲーム等)があるといいと思います。

カット綿に色をのせるとき子供はのせにくい子が多いので、先に粉にしたものを準備しましたが殆ど使用されず。色をのせる方法もいくつか伝えてあげるといいと思います(パステルではなくカット綿を動かすようにする、パステルを机に固定してからカット綿をこすると色がのせやすいなど)絵を描くタッチと同じでその子がしやすい方法はあるので、提案してあげるといいかと。

手順とは違うことを進める子は少なからずいます。そんな時は何を描いているのかを聞くと殆どその子なりの想いやこうしたいという意志があります。(恥ずかしがりながら別にという子もいます)そこを聴いてそうなんだねぇと受け止めると更にノビノビ描いていました。手順はあくまでも手順なので、こちらが慌てず、相手を知りたいという気持ちと自由でいいんだよという姿勢が大事なんだなぁとつくづく感じます。

自由に好きなようにかいてねと声をかけても、一人一人考える自由は違うしそもそも自由とは?と思う子もいるので、ひとつひとつの手順の際に色んなパターンをこちら側が紹介したり言葉で伝えてあげるとイメージがふくらむのか色んな絵が出来上がっています。(数や構図や色など)

季節の絵を描く時、手順毎に説明しても子供は集中しだすと顔をあげない時が割とあります。
そこでハッと気づくと先に進んでいて頭の上に?が浮かぶ子がいます。なので手順毎に絵を準備してあげるのもオススメです。(大人から、先に進んでいて聞き逃してたとの声があり、手順毎の絵を準備するようになりました)

子供に限らずですが準備した見本に影響される子は多いように感じます。
なので見本は一種類ではなく、全く違ったパターンがあると自分で選べるし自由の幅が広がります。言葉だけではなく、見本でも自由さは伝えられるようです。

人数が多くなる場合

大人数だと準備に時間がかかるので、カット綿と綿棒とポストカードを入れるファイルをチャック付の袋にいれて1セットにして配ったところ準備時間が大幅短縮できました。

片付けの時ですが、未使用の綿棒をいれる箱、未使用カット綿を入れる場所、練り消し返却箱などなど片付ける箱をわかりやすく置いておくと、子供達は同じ場所にきちんと返してくれました(^^)
その間にこちらはフィキサチーフをかけれるので片付けもできて一石二鳥です♪

子供達にカット綿や綿棒がなくなったら声をかけてねと伝えてもなかなか声があがらず。なのでこちらからなくなった子は手をあげて教えてね〜と声かけすると一気に手が上がったので、こまめな声かけをオススメします。(大人でも大勢の中で声をかけるのは大変だよねと後で反省しました^^;)

大勢だと目も届かなくなるし、個々が言いたいことや聞にくいことも伝えにくい環境になってしまうので、こちら側のこまめな声かけはとても大切だと思います。
同じようにトイレ!喉乾いた!とも言えないので長くなる場合は休憩時間をとる事は必須です。

鑑賞会は人数が多かったのでグループ毎に行いました。子供達が皆で感想を伝えあうのはハードルが高いので、先にいくつか質問を書いた紙を用意して、数分考える時間を設けました。その後1人ずつグループ内で発表してもらう形にしました。
言葉が自分から言い出せずにいた子がいたのですが、こちらから質問すると答えてくれたので、それを班の皆につたえることで対応できました。そういう意味でも用紙を準備することは役に立つなと感じた出来事でした。

基本的に子供達を対象にする場合、もちろんタイムテーブルは作成しますが大人と違い予定通りにはいかない時も普通にあるので、ある程度流れに任せる気持ちもあると個人的に慌てずにすみます。臨機応変って難しいなぁとも感じますが準備をして当日を迎えたら、まいっかー( ´﹀` )の精神はかなり大事です。笑

--インストラクター倉永麻衣さんより

 

全て原文ママ

おすすめの記事