回想法とは?

回想法とは、高齢者が自分のこれまでの人生を振り返り、思い出を語ることで心理的な安定や自己理解を促す心理的支援の方法です。

写真や昔の道具、音楽などを手がかりに、幼少期や若い頃の出来事、家族との思い出などを語り合うことで、記憶を活性化させるとともに、自分の人生を肯定的に捉え直す機会を提供します。

高齢者福祉や認知症ケアの現場で広く用いられており、孤立感の軽減や自尊感情の向上、コミュニケーションの促進などの効果が期待されています。

一般的な回想法の方法

「子どもの頃の遊び」「学校生活」「初めての仕事」「家族との思い出」などのテーマを設定し、参加者が順番に語ったり自由に話したりする方法が、一般的な回想法のやり方です。

話の内容を評価したり訂正したりするのではなく、「そうだったんですね」「楽しそうですね」と共感的に受け止めることが大切にされます。お話しすることが難しい場合は無理に発言を促さず、他の人の話を聞くだけでも回想法の場に参加することができます。

安心して話せる落ち着いた環境を整え、無理に思い出させようとせず、自然に語れる雰囲気が重要とされます。会話を広げるために、写真や昔の道具、音楽、を用意すること、季節の行事など、記憶を呼び起こしやすいテーマを選ぶことも重要な要素のうちのひとつです。
こうした対話を通して、参加者同士の交流が生まれ、自己肯定感や安心感の向上につながります。

レクリエーションと回想法を組み合わせて実施

一般的な回想法では「言葉」がメインのツールとして使われます。

3色パステルアートでは「言葉」だけでなく「絵を描く」体験を通して、五感を刺激することで、よりその効果を促す試みに取り組んでいます。

下の写真は『夕焼け』をテーマに描いた作品です。
制作を行いながら、子どもの頃に見た景色や、印象的だった夕焼け、旅行先での思い出話などに話題が広がります。

はじめのうちは、ぼんやりとした様子で参加されていた方も、次第に目に光が差し、懐かしい思い出の風景を語り出します。

 

なぜ3色パステルアートが回想法に有効なのか

回想法において重要な要素として、テーマが絞られていることと、五感を刺激しながら行うことが挙げられています。

3色パステルアートでは、これらの要素を満たすだけでなく、創作活動中に記憶力を高まったいるときに発生する脳波『θ波(シータは)』が増加することが分かっています。
(*3色パステルアートによる創作活動が脳波に与える効果<調査機関2016年11月〜2017年5月>参照)

θ波は深いリラックス状態で発生することも知られています。
3色パステルアートを用いると、記憶力が高まり、かつリラックスしている脳の状態で進行することができます。そのため、より有効な回想法を実施することができます。

(参考文献:認知症及び介護予防を目的とした回想法およびライフレビューが高齢者のQOLに及ぼす 効果に関する研究 国立長寿医療研究センター 長寿保健科学研究室 主任研究者 細川彩/のうだま2上大岡トメ・ 池谷裕二 幻冬舎/Q&Aでわかる回想法ハンドブック 野村豊子 中央法規/おしゃべり心療回想法 小林幹児 論創舎/なぜ回想法が認知症に効くのか 小山敬子 祥伝社)
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