2018年07月07日(土)インストラクター交流会・研修会『特別編・三原色の水彩画キミ子式』を開催しました。
3色パステルアートでは月に1度、インストラクターとしてのステップアップと、活動の情報交換のための研修会を開いています。
三原色の水彩画『キミ子式』
今回は特別編。
三原色で描く水彩画『キミ子式』を体験してきました。
キミ子式は、50年近く前に小学校の教員をしていた松本キミ子先生が開発された、海外からも注目される技法です。
“絵は自由に描くのではありません。自由になるために描くのです”
これは開発者の松本キミ子先生の言葉です。
3色パステルアートでもインストラクターの的確な指示の下で、描き方や道具の使い方を知り、その安心感の中で自由に描くことを体感できる場を提供したいと考えています。
松本先生の著書のタイトルにもなっている「絵がかけない子は私の教師」という言葉の通り、キミ子式は“絵がかけない子”をどのように導けば描けるようになるか、という視点で考えられています。
長く受け継がれる技法から学ぶべきことはたくさんあります。
インストラクター向けの研修会を行ってほしいという要望を聞き入れていただき、松本キミ子先生のご長男、一郎先生から直接ご指導いただく機会に恵まれました。
制作風景
1、色作り
前半はまず『色作り』から。
赤青黄色の三原色+白の4色を使って様々な色を作り出します。
「考えるより手を動かす」ということで、何色を作ろう?と予測するのではなく、手を動かしているうちに自然とできた色を画用紙にのせていきます。
「何かを成し遂げるために行動するのではなく、何か変わるはずだから行動してみる。」という一郎先生の言葉が心に響きます。
色作りに満足したら、画用紙をちぎって台紙選び。
自分の作品にぴったりな色の背景を探します。
位置を決めて、台紙に糊付けとサインを入れて完成です。
2、もやし
後半に取り組んだテーマは「もやし」
モデルとして選ばれた、根っこつきの立派なもやしたち。
筆の正しい持ち方、手の位置や筆運びのレクチャーを受けた後は、それぞれお気に入りのもやしを選んで、もやしが成長する順番で描いていきます。
(詳しい描き方はこちらから→キミコ・プラン・ドゥ公式サイト)
もやしの色を観察しながら三原色で色を作る工程は、自然と向き合う作業です。
「時代の流れとともに社会は変わっていくけれど、自然は変わらない。自然のものは変わらないからブレないし、それを基準としていれば自分の軸がブレることもない。」キミ子方式では、自然のものをモチーフに絵を描くことが多いそうです。
キミ子式では、最後まで描く必要はありません。
やめたくなったらそこを完成とする、いつでも辞められる安心感は次の一歩を進める元気に繋がるとのこと。
描き方だけではなく、指導者として大切なことをたくさん教えていただきました。
絵を通して、物事の捉え方や、生き方について立ち止まって振り返るきっかけをいただけたような気持ちです。
本当に貴重で贅沢な時間でした。
松本先生、ありがとうございました!