2020年02月09日(日)インストラクター交流会・研修会『対話のことば』を開催しました。
３色パステルアートでは月に1度、インストラクターとしてのステップアップと、活動の情報交換のための交流会＆研修会を開いています。
この会を通してインストラクター同士の交流も広がり、ご縁がどんどん繋がっていきます。
交流会報告
今月も各地から18名のインストラクターが参加しました。
近所の高齢者デイサービスや認知症カフェ、学童保育での活動など、地域密着で３色パステルアートを楽しんでいる様子の活動報告がたくさん聞かれました。中には“道の駅”で開催するという、地元ならではの報告も・・・！
カルチャーセンターで活動しているインストラクターからは、画材セットについてのお話もありました。
普段絵に馴染みのない人にとっては、画材屋さんで道具を一式揃えるのも一苦労。その場で使った道具をまとめて持って帰れるのはとても嬉しい対応ですね。
まずは家族や友人と。または自分の趣味として描いているという方の声も聞かれました。
交流会は活動の大小にかかわらず、３色パステルアートインストラクターなら誰でも参加可能です。
研修内容
今月のテーマは『対話のことば』
３色パステルアートでは絵を描くだけでなく、アートセラピーとして鑑賞会での対話も大切にしています。
今月は昨年末に学んだ内容をさらに深掘りしました。
教材として使用しているのは“対話のことばカード”
対話をするときに大切な心得が30個、30枚のカードに1個ずつかわいらしいイラストとともに記載されています。
30個の心得は、オープンダイアログという対話に重点を置いた心理療法を実施する上での重要項目を簡潔にまとめたものです。
いろいろな使い方のあるこのカード。
まずは4~5人のグループになって、「大切にしたい」と感じたカードを1人3枚ずつ選び、それに纏わるエピソードや、そのカードを選んだ理由をシェアしました。
日常の様々な場面で起こる対話がテーマなだけに、たくさんのエピソードやそれを選ぶに至った想いを聞くことができます。
普段無意識でしている対話について喋っているうちに、どんどん整理されてクリアになっていった、という人も。分かったつもりになっていることでも言葉にするのはとても大切です。
続いて選んでもらったのは「実践できている」カード。
実践できているものとそのエピソードを聞くことで、成功事例をシェアすることができます。
成功事例の次は「実践できていない」カードを。大切と分かっているけれど実践できていない。あるいは、カードを見てはじめてその大切さに気づいた。などなど、様々な意見が聞かれました。主に過去の失敗談や、後悔している経験などの話題が出ました。
実践できていないカードとして特に多く選ばれていたのは“一貫した関わり”と“一緒に見出す”のカード。
インストラクターとしてテキパキ動くことの多いメンバーだけに、他者と“一緒に見出す”ということに苦手意識を持ちやすい傾向があったのかもしれません。
ここまでたっぷり、けれど体感としてはあっという間の2時間を過ごしました。
休憩をはさんで次に行うのはリフレクティングトーク。
リフレクティングトークはもともと家族療法で扱われていた心理療法のひとつです。分かりやすく説明すると、『対話についての対話』です。
ずっと同じメンバー・テーマで対話をしていると、気がつけば同じ内容の繰り返しで行き詰まってしまうことがあります。例えるなら絡まった糸をみんなでほぐそうとしていたのに、いつの間にかどんどん複雑に絡まってしまっている状態。みんなが問題の渦に飲み込まれてしまっているような状態です。
そんな時は一度これまでしてきた対話について語り、客観的に振り返る時間が必要です。
リフレクティングトークによって対話について冷静に振り返った後、最後に今日の1枚を1人1枚ずつ選びました。
私が選んだのは、“ゆったりとしたペース”のカード。
普段は2時間で開催している研修会ですが、今回は1時間延長して3時間時間をとっていました。
開始1時間経った頃はそれぞれの発言量もまだ多くなく、「いつも通り2時間の研修でも大丈夫だったかな」という印象でした。それが1時間を過ぎた頃には、、、グループ内のメンバー同士もすっかり打ち解け大盛り上がり。次から次へと色々な角度からの発言が聞かれて止まらないほどでした。
その場に身を置いて、慣れてきて、安心して自由な発言ができるまでに、最低でも1時間はかかるということなのかもしれません。
ゆったりとしたペースで実施することで、それぞれが思ったままを発言できる余白を作ることができました。
嬉しいことに終了後はどのグループからも、「このメンバーで一緒に学べて良かった」という感想が得られました。
本を読んだだけでは理解が難しい対話の世界。
実践を通して学べる有意義な時間となりました。
