パステルは乾燥させた顔料を粉末状にし粘着材で固めた、チョークのような見た目の画材。
『パステルアート(パステル画)』は、そのパステルを用いた絵の総称です。

画材店、文具店などで低価格で入手できるため近年人気を集めています。絵の具と違って水や筆が不要なので準備や後片付けが簡単。手軽に楽しめることも魅力のひとつです。

ここでは5種類のパステルの特徴と使い方についてご紹介します。

 

パステルの種類

 

ソフトパステル

名前の通りやわらかい素材のパステルです。
学校のチョークのように粉っぽい質感で、少し触るだけで指に色の粉がつきます。

鮮やかな発色で伸びがよく、力がいらないので子どもや握力の衰えている高齢者、障害者の方にもおすすめ。力まずリラックスして描きたいときに最適なのがこのソフトパステルです。

パステルの横を指やコットンでこすって粉をとり、画用紙に着色していくのが主な使い方です。全体をざっくり描く風景画等に向いている一方で、崩れやすいため細部の描画には不向きです。

絵の具とは違い紙の上で色がまざるので、色の変化を楽しみながら描くことができます。その特徴を生かしたグラデーションを用いた作品が特徴のひとつ。

消しゴムなどで消すことができるので、絵が苦手な人やパステル初心者の人にも向いています。

ソフトパステルで描いた夕焼け空の見本

↑ソフトパステルで描いた『夕焼け空』の作品見本です。
この鮮やかな色合いと優しい雰囲気が特徴。

見本はダイソーのソフトパステルを使用しました。

 

ハードパステル

見た目はソフトパステルと同じくチョークのような画材です。ソフトパステルよりも粒子が粗くしっかりとしているので、パステル自体に触るだけで手に粉がつくということはあまりありません。

ソフトパステルと似た外見ですが、ハードパステルは固いので指やコットンを使って色を塗るには、粉にする必要があります。カッターなどで削って粉状にして使用します。子どもの現場などでは注意が必要です。

パステルの角を使うことで比較的細部の描写も可能です。
こちらもソフトパステルと同じく紙の上で色がまざるので、色の変化を楽しみながら描くことができます。

ハードパステルで描いた作品見本

↑ハードパステルで描いた『夕焼け空』の見本です。
完成はソフトパステルとほぼ変わりません。粉の粒子が粗く画用紙の凹凸に入り込みにくいので、紙そのものの質感がよく映えます。

 

セミハードパステル

ソフトパステルとハードパステルの中間くらいの硬さのパステルです。

 

オイルパステル

オイルパステルはクレヨンに似た質感です。
名前のとおりオイル(油)を使用しているため水に強く、水彩絵の具と組み合わせて使用することも可能です。

ソフトパステルやハードパステルに比べて濃い色を出すことが可能で、何色も重ねて使うことで油絵のような質感になります。

子どもが直接手にとってグリグリ色を塗り込むのに向いています。指でこすって2色をなじませることでグラデーションを作ることができます。

一度描いたら消すことはできませんが、次々に色を重ねていくことで生まれる重厚感を楽しむことができる画材です。

オイルパステルの作品見本

↑オイルパステルで描いた『ザクロ』(*ザクロの皮にオイルパステルを使用。中の実はアクリル絵の具です。)

 

パンパステル

パンパステルはパステルの種類ではなく商品名です。
画材メーカーホルベイン社から発売されている、化粧品のような形のパステルです。

ソフトパステルよりもさらに柔らかく、しっとりとした質感が特徴。
お化粧に使用するようなパフを使って着色していきます。1色500円程度と高価ですが、使う色を絞って高級感のある作品を描きたいときにおすすめ。

 

パステルアートの保存方法

色落ちを防ぐため、作品完成後は『フィキサチーフ』と呼ばれる専用の定着スプレーをかける必要があります。フィキサチーフを使用しない場合は、トレーシングペーパーで包む、ファイルに入れる、専用の保存袋に入れる、など画用紙の表面を直接さわらないように工夫して保存しましょう。

 

3色パステルアートの作品見本

3色パステルアートではソフトパステルを使用しています。(ハードパステル・セミハードパステルでも代用可能ですが、握力の弱い子どもや高齢者でも扱いやすいようにソフトパステルを使用しています)

 

ソフトパステルは絵が苦手な人にとってもチャレンジしやすい画材です。
名前の通り全て3色で描いています。ぜひ挑戦してみてくださいね。

 

その他の画材とパステルアートの描き方

画用紙や練り消しなど、パステル以外に必要な材料はこちらから

パステルアートの描き方(海)動画付きはこちらから

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